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確定申告書等作成コーナーで退職所得の源泉徴収票が登録できない問題

2023年3月17日

 こんにちは、その日暮らしです。

 当記事では、「所得税法第201条第1項第2号適用分の源泉徴収票がある方で、退職所得の源泉徴収票が2枚以上ある方」の制限に該当し確定申告書等作成コーナーを利用できないケースに関する情報をシェアしています。

 この制限を回避する方法をすぐに知りたい方は「はじめに」を飛ばしてその次の章からお読みください。

 なお、確定申告書等作成コーナーの使い方について読者は熟知しているものとします。


はじめに

 還付申告(確定申告)をしようと考えた経緯については、前回の記事をご覧ください。

 私は、退職所得の源泉徴収票を2枚持っています。1枚目は早期退職に応じた人に対する支援金の支給に因るもので2枚目は通常の退職金に因るものです。当然ですが、これら2枚とも確定申告書等作成コーナーで登録する必要があります。が、しかし、実際に確定申告書等作成コーナーでこれらの退職所得の源泉徴収票を登録しようとしたところ登録ができませんでした。私は、確定申告書等作成コーナーを利用する上での制限「所得税法第201条第1項第2号適用分の源泉徴収票がある方で、退職所得の源泉徴収票が2枚以上ある方」に該当していました。これに該当する人は、確定申告書等作成コーナーを利用できないとのことです。

 前回の記事でも書きましたが、確定申告書等作成コーナーが利用できないとなると自力で申告書を手書きするか税理士事務所に依頼して作成してもらわなければなりません。確定申告書等作成コーナーを使えれば簡単にできることに手間をかけるのは嫌だしかといってお金をかけるのはもっと嫌です。

現象

 以下で今回の現象を説明します。

 以下の2枚の退職所得の源泉徴収票を登録するとします。

 1枚目は、「区分」の1行目に金額の記載があります。

2枚目の退職所得の源泉徴収票

 2枚目は、「区分」の2行目に金額の記載があります。

「退職所得の入力」画面

 1枚目の退職所得の源泉徴収票を登録し、2枚目の退職所得の源泉徴収票を登録しようとすると、2枚目の退職所得の源泉徴収票の「区分」対応する選択肢「法第201条第1項第2号適用分」がグレーアウトされていて選択できません。

「ご利用になれない方」ページ

 確定申告書等作成コーナーのページ上でリンク『「ご利用になれない方」はこちら』をクリックして表示されるページ(なぜか直リンを貼れない)を見ると、「所得税法第201条第1項第2号適用分の源泉徴収票がある方で、退職所得の源泉徴収票が2枚以上ある方」は、確定申告書等作成コーナーが使えないとあります。確かに、私は2枚以上の退職所得の源泉徴収票を持っていて、そのうち2枚目の退職所得の源泉徴収票には「区分」の2行目「所得税法第201条第1項第2号適用分」に金額の記載があります。

 上記の制限に該当してしまっています。

 これをなんとかします。

対策

 2枚の退職所得の源泉徴収票の「支払金額」と「源泉徴収税額」をそれぞれ合算し1件の退職所得として確定申告書等作成コーナーで登録します。出来上がった申告書の第二表にある「所得の内訳」欄では所得1件に対して1行を記載するようになっているので、この「所得の内訳」欄を2件の退職所得として2行が記載されるよう手書きで加筆修正します。

 なお、私が住んでいる地域を担当する税務署の職員の方に実際に会って確認したところ、この回避策で問題ないとのことでした。ただし、2枚の退職所得の源泉徴収票は、同一の法人の同一の在職期間に対する退職金の支給に因るものでなければならないとのことでした。

 以下、その回避策を説明します。

「退職所得の入力」画面

 「退職所得の入力」画面で「区分」として1枚目の退職所得の源泉徴収票の通りに「法第201条第1項第1号適用分」を選択します。「支払金額」と「源泉徴収税額」には、2枚の退職所得の源泉徴収票の「支払金額」と「源泉徴収税額」をそれぞれ合算した金額を入力します。

確定申告書Bの第二表

 その後出来上がった確定申告書Bの第二表を手書きで修正します。修正する箇所は、上の画像で示した「所得の内訳」欄です。上の画像では提出用の第二表について修正箇所を示していますが、控用の第二表も忘れずに修正してください。

「所得の内訳」欄

 まず、「所得の内訳」欄に2枚目の退職所得の源泉徴収票に対応する行を追加します(上の画像では4行目)。「所得の種類」には「退職」と入力し、2枚目の退職所得の源泉徴収票の「住所又は所在地」「氏名又は名称」「支払金額」「源泉徴収税額」を転記します。

 次に、合算した金額が記載されている「所得の内訳」欄の行(上の画像では3行目)を1枚目の退職所得の源泉徴収票の「支払金額」「源泉徴収税額」で書き換えます。

 これで、「所得の内訳」欄に合算して記載されている金額を2件の退職所得として分けて記載することができました。簡単ですね。


 以上、「確定申告書等作成コーナーで退職所得の源泉徴収票が登録できない問題」でした。


この記事を書いた人

プロフィール

 その日暮らし

 こんにちは、その日暮らしです/地方国立大理系院卒→大手大企業就職→ソフト開発二十年超→メンタル壊して退職→ちょっと回復→資格取得頑張る(簿記3級と応用情報は合格でデスペはギブアップ)→コロナ禍で再就職無理→離婚orz→実家へ出戻ってこどおじ化(笑)→WordPressの勉強のためブログに挑戦/そんな訳でブログは始めたばかりですが日々いろんなことを試して得た知識を投稿していこうと思ってます/以上